公式が人気No.1と書いている一本を、いちばん最後に買った

手元にアネロスが5本あった時期に、私はまだヒリックス シン トライデントを持っていませんでした。

理由は単純で、公式が「人気No.1」「初心者にオススメ」と書いていたからです。もう初心者ではないつもりでいたので、今さら入門用を買っても得るものが無いだろう、と勝手に判断していました。

結果から言うと、その判断は外れていました。買ってから、これまで自分がずっと「位置が分からない」と言っていた日の正体が少し見えたからです。

この記事は、6本目として買ったこの一本を数ヶ月使ったあとの観測記録です。医療的なアドバイスではありませんし、同じ体験を保証するものでもありません。違和感・痛み・体調不良があればすぐ中止してください。


数字の上では、MGXとほとんど同じ場所に届く

先に公式スペックを置いておきます。

項目ヒリックス シン トライデントMGX トライデント
頭部横幅25mm20mm
柄の横幅22mm25mm
アバットメント距離42mm42mm
挿入可能長さ89mm89mm
素材樹脂+シリコンコート樹脂
公式レベル全レベル可・初心者にオススメ初心者にオススメ
価格¥11,990¥8,910

挿入長もアバットメント距離も同じ数値です。 つまり体内で届く深さと、前脚が当たる位置関係は変わりません。違うのは頭部が5mm太く、柄が3mm細いという2点だけ。

この表を作るまで、私は2本を「別物」として扱っていました。数字にすると、実際にはほぼ同じ骨格に別の顔が付いているだけだと分かります。

ヒリックス シン トライデントの頭部が前立腺、前脚が会陰、後脚が仙骨側に触れる三点支持の構造と、頭部25mm・柄22mm・アバットメント距離42mm・挿入長89mmの寸法を示した図解
当たっているのは頭部だけではありません。3点のどれか1つがずれると、残り2点も同時にずれます。姿勢を変えると感じ方が変わるのはこのためだと理解しています。

頭部5mmの差が、「点」と「面」を分けていた

実際に入れて最初に思ったのは、「探さなくていい」でした。

MGX トライデントを使っているとき、私は毎回そこそこの時間を「どこに当たっているか確認する作業」に使っていました。当たると分かりやすいかわりに、その一点を外すと何も返ってこない。腰の角度を少し変えて、また探す。この往復が前半の30分くらいを占めることがありました。

ヒリックス シン トライデントは、その探す工程が短くなりました。頭部が太いぶん接触する範囲が広く、多少ずれていても「だいたいそのへん」で何かが返ってきます。厳密に当たっているかどうかより先に、体が反応してくれる感じです。

これは刺激が強いという意味ではありません。むしろ一点あたりの圧はMGXのほうが鋭い。返ってくる情報の量が違う、という言い方が近いと思います。

私の場合、この違いがいちばん効いたのは疲れている日でした。集中力が落ちている日にMGXを使うと、探しているうちに気力が切れて終わることがあります。この一本に替えてからは、そういう日の空振りが減りました。

ヒリックス シン トライデント
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ヒリックス シン トライデント

ヒリックス系のSYN(シリコンコート)トライデント。黒・頭部25mm・挿入長89mm・公式「全レベル可/初心者にオススメ」。シン Vとの違いは素材ではなく振動機能の有無で、こちらは非電動。運営者の所持モデル。

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柄が3mm細いことのほうが、実は効いていたかもしれない

意外だったのが柄のほうです。

ヒリックス系は柄22mm、MGX系は柄25mm。3mmしか違いません。ただ、この部分は前脚の付け根にあたるので、体の外側に近い場所の圧に直結します。

私はMGXで前脚が食い込むほどの痛みを感じたことはありませんが、長く続けた日の終盤に「そろそろ外したい」と感じるのは、思い返すとMGXのときのほうが早かったです。

アネロスジャパンの公式フォーラムを読んでいると、前脚が食い込んで痛いという理由で別のモデルへ移った、という書き込みが複数見つかります。フォーラムでは痛みが「慣れの問題」ではなく形の相性として語られることが多く、私もその読み方に賛成です。ここで痛みを我慢して続けても、たぶん何も良くなりません。


最初の3回は、期待していたほど何も起きなかった

正直に書いておくと、届いてすぐの数回は拍子抜けしました。

1回目は、いつもどおり入浴して、ウォシュレットで洗って、挿入して5分ほどなじませて、というルーティンをそのままなぞりました。それで「入っているのは分かるけれど、それ以上でも以下でもない」という状態が1時間ほど続いて終わりました。

2回目も似たような感じで、3回目にようやく「あ、さっきから同じ場所が反応している」と気づきました。

このとき自分が何を間違えていたかというと、新しい器具を入れたときに前の器具の当たり方を探していたことです。直前まで使っていたマキシマス トライデントは挿入長96mm、この一本は89mm。7mmの差ですが、体感としては「もう少し奥にあるはずのもの」を探し続けてしまう距離でした。

体験上は、モデルを替えた直後は当たり方を覚え直す時間が要ります。数字が近いモデルほど、前の感覚が残っていて邪魔をする。ここを「このモデルは効かない」と結論づけて手放すのは早すぎる、というのが自分の反省です。

公式フォーラムでも、公式の図で示された挿入位置と自分の体感がズレるという戸惑いが繰り返し出てきます。挿入長が同じでも体格で当たる場所は変わるので、モデルを替えたら位置の感覚を取り直す必要がある、という前提で見たほうがよさそうです。

姿勢を変えると、3点の当たり方がまとめて変わる

この一本で分かりやすかったのが、姿勢の影響でした。

私は仰向けが基本ですが、膝を立てる角度を少し変えるだけで頭部の当たる位置が動きます。図解に描いたとおり、器具は頭部・前脚・後脚の3点で支えられているので、後脚が接している角度が変われば頭部の向きも一緒に変わるからです。

個人的には、膝を軽く開いて足裏を寄せる形にしたときがいちばん安定しました。逆に足を伸ばして寝ると後脚の支えが弱くなり、頭部が浅い方向へ逃げます。

これは器具の性能ではなく、単に幾何の話です。ただ、この構造を意識するまでは「今日は調子が悪い」で片付けていた日がかなりありました。


「初心者にオススメ」の意味を、自分は読み違えていた

公式の対象レベル表記を、私は長いこと難易度の階段だと思って読んでいました。初心者向けが一番下にあって、上級者向けが一番上にある、という読み方です。

これが間違いでした。

ラインナップを全部並べると、**調整式のサイ(頭部18mm)を除くと最も細い頭部19mmのユーホー系が「上級者向け」で、25mmのこの一本が「全レベル可・初心者にオススメ」**になっています。太さの順番と表記の順番が逆転している場所があるわけです。

そこから考えると、公式の言う「上級者向け」は「刺激が強くて危ない」ではなく「拾う側の精度が要る」という意味に読めます。細いモデルは当たりが軽いので、感覚が育っていないと何も起きない。逆に「初心者にオススメ」は「手応えが返ってきやすいので、何が起きているか分かりやすい」という意味になります。

つまりこの一本は、初心者専用という意味ではなく、どの段階でも状態が分かりやすい基準の一本という位置づけなのだと、今は理解しています。私が5本目まで避けていたのは、単に表記の読み違えでした。

各モデルの数値と公式レベルの対応はアネロス全14モデル比較|太さ・挿入長・価格で選び直すに一覧でまとめてあります。


シリコンコートは、2時間続ける人に効いてくる

ヒリックス系には樹脂の無印もあります。ヒリックス トライデントは¥8,910、シン トライデントは¥11,990。寸法は完全に同一で、違いはコーティングだけです。

差額の3,080円で何が変わるのか。私は無印のヒリックス トライデントを所持していないので、所持しているマキシマス トライデント・MGX トライデント(どちらも樹脂)と、シン系3本を比べた体感になりますが、差が出るのは次の2点でした。

  • 当たりの輪郭。樹脂は形がそのまま伝わってきます。コート版は同じ場所に同じだけ当たっていても角が丸い。
  • ローションの持ち。コート版のほうが表面が乾きにくく、途中で足す回数が減ります。

私のセッションは週2回、1回2時間ほどです。この長さだと後者がはっきり効きます。途中でローションを足すために動作を止めると、そこで集中が切れて戻すのに時間がかかる。その中断が減るだけで体験の連続性が変わりました。

逆に言うと、30分から1時間くらいで終える人にとっては、この差額の意味は薄いはずです。安いほうが劣っているわけではありません。

洗浄は樹脂モデルより少しだけ手間がかかる

コーティング版で気をつけているのが、洗浄後の乾燥です。

樹脂のマキシマスやMGXは、洗って拭けばすぐ乾きます。シリコンコートのモデルは表面が柔らかいぶん水分が残りやすく、拭いただけだと前脚の付け根あたりに湿りが残ることがありました。私が確認した範囲では、ここを放置すると次に使うときにぬめりが戻ってきて気になります。

今は中性洗剤で洗ったあと、風通しのいい場所で完全に乾かしてからしまうようにしています。急いでケースへ戻さない、というだけの話ですが、これを守るかどうかで表面の状態がだいぶ変わりました。

またシリコン素材にはシリコン系のローションが使えません。水溶性を選ぶのが前提になります。ここは価格の話ではなく、素材を傷めるかどうかの話なので、コート版を選ぶなら必ず確認してください。


ヒリックス シン Vとの違いは、太さではなく振動

同じヒリックス系のシリコンコート版に、電動のヒリックス シン Vがあります。こちらも所持しています。

ヒリックス シン トライデントとヒリックス シン Vを、頭部25mm対26mm、挿入長89mm対92mm、価格11,990円対16,940円、振動なし対24通りで比較した図解
寸法差は頭部1mm・挿入長3mm。体感を分けているのは太さではなく、振動があるかどうかです。

名前が近いので上位互換だと思われがちですが、寸法はほとんど同じです。頭部が1mm、挿入長が3mm違うだけ。素材もどちらもシリコンコートで、公式レベルの表記が変わっているのは振動を使う前提だからだと理解しています。

私はここで一度失敗しています。シン Vを買った直後、振動があると初回から何かしら感じられるので、毎回そちらを使っていました。しばらくして振動なしの日に戻ったとき、以前は拾えていたはずの小さな変化がまったく分からなくなっていました。

ヒリックス シン V
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ヒリックス シン V

細めで負担が少なく、最初の感覚づくりに向いたモデル。

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今は、振動を切って使う日を意図的に残しています。そしてその「切る日」に選ぶことが多いのが、この非電動のシン トライデントです。同じ系統で寸法が近いので、振動の有無だけを比べられるという使い方ができます。


この一本が向いていない場面

良かったことばかり書いてきたので、合わなかった場面も書いておきます。

強い圧が欲しい日には物足りません。 頭部25mmは中間の太さです。プロガスム ブラックアイスの29mmやマキシマス トライデントの存在感に慣れた状態で戻ると、穏やかすぎて刺激として拾えない日がありました。

細かい変化を追う練習にはなりません。 手応えが返ってきやすいということは、裏を返せば大雑把でも成立してしまうということです。ユーホー シン トライデントのように当たりが軽いモデルで感覚を研ぐ、という方向の練習には向いていません。

2本目としての「変化」は小さいです。 すでにMGX トライデントを持っている人が変化を求めて買うと、挿入長もアバットメント距離も同じなので、期待したほど別物にはならない可能性があります。系統ごと変えるほうが差は大きく出ます。

MGX トライデント
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MGX トライデント

前立腺への当たり感をつかみやすく、ステップアップに使いやすいモデル。

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結局、どういう人が買うと納得しやすいか

数ヶ月使ってみて、私が思う位置づけはこうです。

  • 1本目として: 公式の表記どおり、素直に候補になります。手応えが分かりやすいので「何も起きない」で止まる期間が短くて済みます。
  • 調子の基準として: 私にとってはこの使い方がいちばん大きい。今日の自分がどのくらい拾えるかを測る物差しになります。ここで反応が薄い日は、器具ではなく体調か集中の問題だと切り分けられます。
  • 疲れている日の一本として: 探す工程が短いので、気力が残っていない日でも成立しやすいです。

逆に「もっと強い刺激が欲しい」という動機で買うと、たぶん外します。そこは太さで選ぶ話になるので、別のモデルを見たほうがいいと思います。

排便感で止まっている段階の人に、この一本は効くのか

よく聞かれそうなところなので書いておきます。

私自身は、始めた頃に排便感がきつくて数週間まったく進まなかった時期があります。当時の解決策は器具を替えることではなく、アネロスを入れたままテレビを見て、快感を探すのをいったんやめる、という時間を作ることでした。

その経験から言うと、排便感で止まっている段階では、このモデルに替えても状況は変わらないと思っています。排便感は器具の太さや形の問題というより、その場所に異物があること自体への体の反応だからです。細い一本に替えても消えません。

ただし、頭部が太いぶん「入っている」という情報が明確になるので、慣らす対象がはっきりするという意味では悪くない選択かもしれません。細くて存在感が薄いモデルだと、慣らしているのか何もしていないのか自分でも分からなくなることがあります。

いずれにしても、痛みがある場合は別です。違和感と痛みは違うもので、痛いなら中止してください。


セッションのお供として自分が選ぶなら

器具の話をここまで書きましたが、実際のところ集中できない日は何を入れても何も起きません。

私は週2回・1回2時間ほど、イヤホンで映像を流しながらのセッションが定番です。選ぶ基準は刺激の強さではなく、追いかけずに済むかどうか。場面転換が多いと、切れた集中を戻すたびに画面を見に行くことになります。

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場面転換が少なく、集中が切れても戻りやすい
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焦らしの時間が長めに取られている
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こちらは公開サンプルと掲載情報で確認した範囲での印象です。実際にセッション中に使ったかどうかとは別の話として読んでください。

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同じヒリックス系の電動モデルや、他系統との比較は別の記事に分けています。